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コラム

2019.08.08

ビールの泡はなぜ立つ?上手な注ぎ方についても解説

ビールの泡はなぜ立つ?

ビールを飲むうえで無視できない要素が「泡」です。しかし、どうして泡が出るのか、どのように注ぐとおいしい泡ができるのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか。ビールのさらなる楽しみ方を極めるには、泡を深く調べてみるのも一興です。
ビールには、「二酸化炭素」が含まれています。ビールは炭酸のアルコールであり、ガスが瓶の中には充満しています。そのため、瓶を開けるとガスが噴き出し、その影響で泡も生まれるのです。また、ビールの炭酸がほかの炭酸飲料と違う点は、意図的に入れられたものではないことです。ビールの原材料には「酵母」があります。そして、生成過程で酵母から炭酸ガスが発生します。しかも、ビールにはタンパク質や樹脂成分もたくさん含まれています。これらの成分には泡を消えにくくするという特徴があるのです。その結果、ビールの泡はなかなか消えずに、グラスに注いだ後も留まり続けます。

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ビールの泡は味に関係がある?

見た目が美しく、爽快感をあおるビールの泡は、味にも大きく影響しています。まず、泡があることで喉ごしがまろやかになります。炭酸の刺激が苦手な人も、泡と一緒に飲むことで中和され、豪快に喉へと流し込めるでしょう。また、ビールのうまみは泡へと乗り移ることで拡散します。独特の苦味は泡によって濃くなり、ほかの飲み物にはない深みが生まれているといえるでしょう。さらに、泡には「バリヤ」の機能もそなわっています。ビールをグラスに注いだとき、上部に泡があることで外気から守られています。そのため、時間が経っても炭酸が薄まらず、喉ごしが保たれるのです。もちろん、ビールそのものの味も薄まりにくくなります。
よく、ビールは「缶で飲むより瓶で飲むほうがおいしい」といわれます。銘柄が同じであれば、缶でも瓶でも品質は変わりません。しかし、缶で飲んでいると泡が発生しません。瓶からグラスに注ぐことで泡が生まれ、ビールの風味を引き立てるのです。ビールの味わいと泡は切っても切り離せない関係だといえるでしょう。

ビールの泡の比率目安は?

泡さえできればビールは無条件でおいしくなるわけではありません。その証拠に、泡だらけになったグラスを想像してみましょう。ビールが流れ込んでこないと、やはり味は落ちます。一方で、ビールばかりで泡がほとんどないグラスも味気ないものです。泡の理想的な比率を押さえておきましょう。
ビールと泡の比率は「7:3」が理想とされてきました。理由はまず、見た目の美しさです。広がる泡がさわやかにグラスを彩ります。黄金色の液体と白い泡とのコントラストも、7:3だと映えるでしょう。次に、喉ごしと泡によるバリヤ機能がちょうどいいバランスで成立している点です。泡が少ないと、味のバリヤになりません。しかし、泡が多すぎても飲んでいて不快感を覚えるでしょう。いずれの長所も引き立てつつ、いくらでも飲みたくなるような比率が「7:3」なのです。

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ビールの上手な注ぎ方とは?

泡を上手に作れるようになると、ビールはおいしくなります。種類ごとに適した注ぎ方を覚えましょう。

缶の場合

もっとも身近な存在が「缶ビール」です。缶のまま飲むのではなく、グラスに注ぐ習慣を身につけるとビールの味わいは深まるでしょう。缶の基本は「3回に分けて注ぐこと」です。まずはグラスの半分ほどまで注ぎます。次に、9合目あたりまで注いでしまいます。最後に、じっくりと泡を生み出すような注ぎ方をして完成です。このようにして注いだグラスからは、泡がすぐに消えないのでビールをゆっくり味わえます。

瓶の場合

瓶ビールをたしなむときも、缶と大きく変わりません。3回に分けて最後に泡を作りましょう。もっとも、瓶のほうが缶よりも勢いの調整が難しいという問題もあります。グラスを適度に傾けるなどして、勢いをやわらげるようにするのがコツです。

サーバーの場合

ビアガーデンなどに行くと、上司のジョッキにビールを注がなくてはいけないこともあるでしょう。そんなとき、泡の比率に失敗しては上司から大目玉をくらうかもしれません。逆に、おいしく泡を作れたら一目置かれるようにもなれます。サーバーの特徴は、泡が後半になるほどきめ細かくなる点です。そのため、缶や瓶と同じ感覚で注いでいると、上手に泡ができないこともあります。そこで、3回注ぎを行うとき、最後の泡を勢いよく出してみましょう。サーバーでは泡だけを出すことも可能です。ジョッキから泡がこぼれるくらいに、大量の泡を注ぎいれます。それから、ジョッキを傾けて、後半のきめ細かい泡で前半の泡を洗い流していきましょう。一見乱暴にも思える注ぎ方ではあるものの、完成するジョッキの味は実に繊細です。多くの料理店、バーでは実際にこの方法でサーバーが利用されています。サーバーを極めると、素人でもお店のビールと同様の味を演出することが可能です。

「ビールで泡が出るのはよくない」「なぜ泡まで飲まなくてはいけないのか」と思いこんでいる人もいるでしょう。しかし、ビールが口の中に広がっていくさわやかな風味を保てているのは泡のおかげです。泡の上手な注ぎ方を覚えて、飲み会や晩酌に役立てましょう。

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