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2019.09.19

「リキュール」の意味とは?アルコールとは違う?

「リキュール」の意味

「リキュール」という言葉をよく聞くけれど、実際にどんなお酒のことかよくわからないという方も多いのではでないでしょうか。リキュールは、酒税法で「酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類で、エキス分が2度以上のもの(清酒他定められたお酒を除く)」と定められている混成酒の一種です。

一般的には果実やハーブ、薬草、甘味料などでスピリッツ(蒸留酒)に香味づけしたお酒のことを指します。リキュールで有名なのは梅酒や杏酒、チューハイや第3のビールなどです。そのまま飲んだり、カクテルにしたりとさまざまな飲み方を楽しむことができます。リキュールはアルコール度数が高すぎず飲みやすいものばかりなので、楽しい飲み会にもぴったりのお酒です。

リキュールとアルコールの違い

リキュールはベースとなるアルコールに、香味づけの原料と糖類を混ぜ込んでつくる混成酒です。リキュールにはスピリッツやブランデーなどのアルコールが多く使われていますが、これらのアルコールは原料からつくられるため、リキュールとは製法が違います。
アルコールは、醸造酒とスピリッツ(蒸留酒)の大きく2種類にわけることができます。醸造酒は酵母を使用し、原料をアルコール発酵させてつくるお酒で、スピリッツは醸造酒をさらに蒸留してつくるお酒です。

リキュールに使用されるスピリッツで有名なのは、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラの世界四大スピリッツです。穀物や芋類などの原料を糖化、発酵後にアルコール分を蒸留してつくられるため、アルコール度数が高くなります。

リキュールの起源

リキュールの起源は、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスがつくった水薬の一種で、薬草をワインに混ぜ込んだものと言われています。一方、11~13世紀頃の錬金術師たちがさまざまな研究から生み出したのがスピリッツで、中世ヨーロッパでは「命の水」と呼ばれる貴重な薬でした。このスピリッツに薬草成分を漬け込んだものが、現代のスピリッツをベースにしたリキュールの起源とされています。

大航海時代には世界中のハーブやスパイス、果実などがヨーロッパでも手に入るようになったため、さまざまな原料を使った多くのリキュールがつくられました。現代では、リキュールはお酒としてそのまま楽しむほかに、カクテルの材料や菓子づくりなどにも使われています。

リキュールの分類とお酒の種類

リキュールは、スピリッツに香味と甘みを加えてつくるお酒です。そのため、香味づけする原料によってその風味が大きく変わります。リキュールにはさまざまな種類がありますが、主に「薬草・香草系」「果実系」「種子系」「特殊系」の4つに分類されます。

薬草・香草系

薬草・香草系は、リキュールの起源にもなっているハーブや薬草、スパイスなどの成分を抽出して混合したお酒です。中世の修道院で薬としてつくられた「ベネディクティン」や「シャルトリューズ」など、薬草系には製造法が公開されていないリキュールもあります。また、イタリアのバーテンダーが調合した苦味のある風味が人気の「カンパリ」や、ニガヨモギの成分などが含まれる「ペルノ・アブサン」などがあります。草ではありませんが、マムシ酒やハブ酒、朝鮮人参、冬虫夏草などの漢方薬を漬けてつくられた薬酒もあります。

果実系

果実系はリキュールの中でも人気の高いお酒で、カクテルによく使われます。果実を数種類使用し、スパイスも混ぜ込むことでフルーティーな風味に仕上げられています。コニャックとオレンジを樽熟成させたキュラソーには「コアントロー」や「グランマルニエ」などの銘柄があります。そして鮮度の高いカシス(クロスグリ)を原料としたクレーム・ド・カシスでは「ルジェ クレーム・ド・カシス」、「レリティエ・ギュイヨ」などが有名です。日本で人気の梅酒は、青梅をお酒に漬け込み熟成させたリキュールです。ほかにも、ポワールやチェリーなど、さまざまなフルーツのリキュールが楽しめます。

種子系

種子系はコーヒーやカカオなど、果実の種子部分の成分を抽出してつくられたリキュールです。風味豊かで甘さもあり、カクテルや菓子づくり、食後酒にもよく使われています。杏の核から浸出したエキスをメインにつくられる「アマレット」は、アーモンドの風味が特徴で、杏仁豆腐づくりにも使用されています。

また、メキシコ産アラビカ種のコーヒー豆を主な原料とするコーヒーリキュールの「カルーア」は、女性に人気のカクテル「カルーアミルク」で有名です。さらに最高級カカオ豆を焙煎して香味づけした「クレーム・ド・カカオ」なども人気の高いリキュールです。

特殊系

薬草・香草系、果実系、種子系以外の原料を混ぜ込んでつくられたリキュールには、クリームを使用したアイリッシュクリーム・リキュール「ベイリーズ」、ブランデーベースに卵黄を使用したオランダ伝統の卵リキュール「アドヴォカート」などがあります。「アドヴォカート」はアイスやホットカクテルで飲まれています。

リキュールには伝統的なものから変わり種までさまざまな種類があります。まずは自分の好きなリキュールの系統から探しはじめてはいかがでしょうか?

 

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