- JR香椎駅前店ホーム
- 鳥メロニュース
- 今さら聞けないビールと発泡酒の違いとは?居酒屋にも発泡酒はあるの?
コラム
全店共通
2019.07.07
今さら聞けないビールと発泡酒の違いとは?居酒屋にも発泡酒はあるの?
今さら聞けない!でも分かりづらいビールと発泡酒の違い
お酒を飲むなら、いつでもどこでも絶対にビール!という方もいるでしょう。その一方で、家ではもっぱら値段が手頃な発泡酒に決めている、という人もいます。ビールも発泡酒、どちらも「ビールのようなもの」と思っている人も多いのではないでしょうか。
ビールには長い歴史がありますが、発泡酒が誕生したのは1994年のことです。当初はまさに「ビールのようなもの」という扱いでした。しかし、以降のメーカー各社による努力の結果、改良に改良が加えられて、今や味や香りにはほとんど遜色がなくなってきています。両者の差はどんどんと縮まり、違いが分かりづらくなってきたのです。そこで、現在、両者の間にはあらためてどんな線引きがされているのかを解説します。
ビールと発泡酒の違いは酒税法によるもの
2018年4月以降、いくつかの銘柄に、分類が発泡酒からビールに変わったものがありました。しかしながら、製法や味はこれまでどおり、なにひとつ変わってはいません。実は、このときに変わったのは酒税法におけるビールの定義です。言い換えると、両者の違いはこの法律で定められているに過ぎないのです。
では、酒税法とは一体どんな法律なのかを説明します
そもそも酒税法とは
酒税法(昭和28年法律第6号)とは、酒類の税に関する法律です。この法律には、酒類の定義と種類、酒税の税率、製造免許、販売業免許、税の申告・納税方法などが定めてあります。ここでいう酒類とは、アルコール分1度以上の飲み物のことを指しています。
酒類には「発泡性」「醸造」「蒸留」「混成」の4種類があります。さらに、ビールや発泡酒、清酒、焼酎、ウイスキー、スピリッツやリキュールなど全部で17品目を決めて、それぞれを4種類に分類し、課税する税率を設定しています。ビールと発泡酒はどちらも「発泡性酒類」に区分されており、ここにはもうひとつ、その他の発泡性酒類(アルコール分10度未満)があります。
酒税法に出てくる「麦芽」と「原料」とは
ビールに区分するか発泡酒に区分するかは、「麦芽」と「原料」によって決められています。麦芽は、どのくらいの割合が使われているかによって、区分が分かれる最も重要な要素です。原料は、大きく主原料と副原料に分かれます。
ビールの主原料は、麦芽のほかに、ホップと水があります。副原料には、麦、米、とうもろこし、でんぷん、糖類など、決められたものしか使用できません。それ以外のものを使用にした場合は、麦芽の割合に関係なく発泡酒に分類されます。一部の商品に、海外と日本とで区分の違いがあるのはこのせいです。
2018年4月1日の法改正において、重量比の制限付きですが、ビールの副原料として、果実およびコリアンダーなどの一定の香味料が追加されました。一方、発泡酒には、麦芽または麦を原料の一部にしていれば、ほかに制限はありません。
酒税法によるビールと発泡酒の区分
続いて、具体的な区分の方法について解説します。ビールに区分されるのは、麦芽の使用割合が50%以上で、副原料の重量の合計が、麦芽の重量の5%を超えないものです。先ほど「発泡酒からビールへと区分が変わったものがある」と述べましたが、これは18年4月以前「約67%以上」だった麦芽の使用割合が、「50%以上」に引き下げられたためです。また、ビールの製造に使える副原料の種類が追加された点も、区分変更に影響しています。
一方、麦芽の使用割合が50%未満のものは、全て発泡酒に分類されます。そして、たとえこの割合が50%以上であっても、ビールの製造に認められていない原料が用いられたものや、麦芽を使用しないで麦を原料の一部にしたものも発泡酒に区分されます。
実は2023年10月には、この発泡酒についての定義も変えられると決まっています。現在、「その他の醸造酒」「スピリッツ」「リキュール」「雑酒」に区分されているものでも、一定の条件を満たすと発泡酒と判断されるようになります。また、ホップまたは一定の香味料を原料の一部とし、発泡性があるアルコール分20度未満のものや、ビールに類似していると判断されたものも発泡酒になります。
さらに、現在「その他の発泡性酒類」とされている、いわゆる「新ジャンル」(俗にいう第3のビール)も2023年には発泡酒になりますが、こちらは、発泡酒のアルコール分についての制限が「10度未満」から「11度未満」にされるためです。
この法改正においては、税率も変更されています。「発泡性酒類」の税率については、2026年までに段階的に改正することとしています。
ではここで、現行の1キロリットルあたりの税率を見てみましょう。ビールと発泡酒の1分類が220,000円。発泡酒2分類が178,125円と134,250円。その他の発泡性酒類は80,000円です。今後は、現在4段階になっている区分が撤廃され、一律155,000円となる予定です。ですから、実質的にビールは「値下げ」、発泡酒と新ジャンルは「値上げ」となります。
居酒屋にも発泡酒はある?
酒税法の改正に合わせて定義が変わり、近い将来には税率も違いがなくなります。そうなると、居酒屋のメニューから、ビールと並んだ発泡酒の欄がいつかなくなる可能性もあるかもしれません。
居酒屋というと生ビールの印象が強いですが、お店によっては発泡酒も置いてあります。現状、ビールより価格を抑えて提供されていることが多いので、税率が変更となる前に、発泡酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。