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コラム
全店共通
2019.09.24
黒ビールとは?その特徴や種類について紹介
黒ビールとは?なぜ色が黒い?
バーや専門店でしか飲めなかった黒ビールも、今や居酒屋で気軽にオーダーできる時代です。かつて、「とりあえずビール」といえば透明で黄金色をしたピルスナー(ラガー)タイプのことを指すのが一般的でしたが、90年代に酒税法が改正されて以来、日本でもたくさんの醸造会社でクラフトビール(地ビール)が作られるようになりました。そしてブームが定着するにつれ、世界中のおいしいビールが飲めるようになりました。
その中でもビール本来の深い味わいが楽しめるとあって特に人気なのが、色の濃い「黒ビール」です。ひと口に黒ビールといっても淡い茶褐色のものからほぼ真っ黒なものまであり、香りや味わいもさまざまです。日本では公正取引委員会の「ビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則」によって、原料に濃色麦芽を使った濃い色のビールにのみ「黒ビール(ブラックビール)」と表示することが認められています。
ビールの原料は主に「モルト(麦芽)」「ホップ」「酵母」「水」の4つで、その中でも特に麦芽はビールの味わいや個性を決める大切な要素です。ビールの麦芽には、「淡色麦芽」と、「濃色麦芽」があります。一般的なビールは「ピルスナータイプ」と呼ばれ、麦芽を80度前後で乾燥させてできた淡色麦芽を原料にしています。
黒ビールに使われる濃色麦芽は、麦芽を100℃以上の高温で乾燥・焙煎することで麦芽に含まれる糖分をカラメル化させたものです。使用する麦芽の色が濃いので、完成したビールも黒く焦げたような色になります。一般的な黒ビールは、淡色麦芽をベースに10%ほどの濃色麦芽をブレンドしています。
また、濃色麦芽にも焙煎の温度や製法によってさまざまな種類があり、琥珀色をした「クリスタル麦芽」やカカオのように香ばしい「チョコレート麦芽」のほか、「カラメル麦芽」、「黒麦芽」などです。
黒ビールの特徴は?
黒ビールは高温焙煎の麦芽を原料としているため、麦芽ならではの香ばしさや芳醇な香りが大きな特徴です。炭酸が弱めでアルコール度数の高いものが多く、口当たりは柔らかく甘みとコクがあります。このような特質を生かしてよりおいしく味わうには、あまり冷やしすぎないのがポイントです。
黒ビールの飲み頃温度は、スッキリとしたのど越しが命のピルスナーよりも高めの8〜12℃。冷蔵庫から出して10分ほど常温におくことで華やかな香りや旨味を引き出せます。
スタウト?シュバルツ?黒ビールの種類とは?
ビールの醸造方法には「上面発酵(エール)」「下面発酵(ラガー)」「自然発酵」の3種類があり、自然発酵は少数派です。
上面発酵は常温からやや高めの20~25℃で3~4日かけて発酵させ、その後約2週間成熟させる製法です。イギリスやベルギーの代表的なビールに見られる古くからの製法で、フルーティーな香りが特徴です。発酵中に酵母が浮き上がってくることから「上面発酵」と呼ばれます。
また、「下面発酵」は6~15℃の低温で7〜10日をかけて発酵させ、約1ヶ月の成熟期間を経てできるビールで、発酵後は酵母が沈殿します。下面発酵はスッキリとした味のビールができる比較的新しい製法で、品質が安定しやすく大量生産に向いていることから現在の主流となっています。
また、黒ビールは発祥地や製法によって次の4つに分けることができます。
・シュバルツ(Schwarz)
ドイツ・バイエルン地方が発祥で下面発酵によって造られ、麦芽の甘みや香ばしさが際立ちます。日本の大手ビールメーカーが製造している黒ビールは基本的にこのタイプで、ドイツ語の「黒」が呼び名の由来です。
・デュンケル(Dunkel)
こちらもドイツ・バイエルン地方発祥の下面発酵によるビールです。色はシュバルツよりも淡い褐色で、マイルドで甘みが強いのが特徴。ドイツ語の「暗い」が呼び名の由来です。
・ポーター(Porter)
イギリス・ロンドン生まれの上面発酵黒ビールで、18世紀初頭に流行したブレンドビールが起源ともいわれています。焦がした麦芽の苦みや甘みのほか、エール酵母の香味を味わえるビールです。
・スタウト(Stout)
ポーターに対抗するビールとして、アイルランドのギネス社が開発した黒ビールです。焦がし大麦で色を付けているのが特徴。黒ビールの中では苦みが強めでスッキリした風味が楽しめます。
黒ビールにはどんな銘柄がある?
150カ国以上で飲まれている世界ブランド、「ギネス(GUINNESS)」のプレミアムな上面発酵スタウトビール「ドラフトギネス」は、特許製法によって生み出されるクリーミーな泡が特徴の黒ビールです。
「マーフィーズ(MURPHY’S)」の「アイリッシュ・スタウト」は、は同じくアイルランドのブランド。なめらかでアルコール度数も低めなので、黒ビール初心者にもおすすめです。
濃厚でまろやかなイメージが強い黒ビールですが、ラガー系とエール系でも味わいが違います。いくつかの銘柄を飲み比べてみて、自分の好みに合った黒ビールを見つけてください。