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コラム
全店共通
2019.09.17
「蒸留酒」の意味とは?その種類も紹介
「蒸留酒」の意味とは?
お酒は製法により「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに分類することができます。蒸留酒は、このなかの醸造酒をさらに熱し蒸留して造ったお酒のことです。
蒸留酒の歴史は長く、世界で初めての蒸留酒は、紀元前のメソポタミアで造られていた「アラック」だといわれています。メソポタミアでは、ナツメヤシの実を原材料にしてアラックを造っていました。現在では、中近東から東南アジアで造られる蒸留酒は一般的に「アラック」と呼ばれています。
蒸留酒の特徴とは?
蒸留酒は製法に蒸留が含まれるため、アルコール度数が高くなります。蒸留によってアルコール度数は40度以上に上がりますが、さらに蒸留を繰り返すと度数を90度以上まで上げることも可能です。蒸留酒はアルコール度数が高いという特徴から、強いお酒が好きな方に向いていることはもちろん、長期保存が可能なので、自宅で少しずつじっくり味わいたい方にも適しています。
また、「蒸留酒は太りにくいお酒」ともいわれています。実はアルコール分を抽出して造る蒸留酒には、糖分が含まれていません。そのため、蒸留酒を飲んでも脂肪になりにくいと言われています。
蒸留酒はアルコール度数が高いため、水や炭酸水などカロリーの低い飲み物で割って飲むことが多く、飲む量を調節しやすいことも太りにくい原因のひとつといえます。
ただし、ウイスキーやブランデーなどをストレートで何杯も飲んだり、高カロリーなおつまみを食べ過ぎたりすると、それが原因で太ってしまう心配もあるので気を付けましょう。
蒸留酒と「醸造酒」「混成酒」の違いは?
蒸留酒、醸造酒、混成酒はそれぞれ製法が異なります。
蒸留酒の造り方は、醸造酒を熱して気体になったアルコールを別の容器で冷やして集めるという方法です。また、蒸留酒はアルコールや香りの成分など一度気化させた揮発成分だけを取り出すので、醸造酒や混成酒よりも香りや度数が高いです。
醸造酒との違い
醸造酒は果物や穀物などの材料を発酵させて造るお酒で、ワインやビール、日本酒などが有名です。果実にはもともと糖分が含まれているので、酵母を加えるとそのまま発酵してワインなどを造れます。
ところが麦を使用する場合は、麦芽酵素によってデンプンを糖に分解させてから、糖を酵母でアルコール発酵させてビールを造る必要があります。また、日本酒を造る場合は、米のデンプンを糖化する工程と糖を発酵させる工程が同時進行で造られます。
このように造られた醸造酒は、アルコール度数が5~20度程度とそれほど高くありません。
混成酒との違い
混成酒は、醸造酒や蒸留酒にハーブや果実などを混ぜて浸し、蒸留して造るお酒です。混成酒には梅酒やリキュール、薬酒、みりんなどがあり、蒸留酒から造った混成酒は主にリキュールと呼ばれます。
梅酒は、蒸留酒に青梅を漬け込んで造られた日本のリキュールです。他にもコアントローやカルーア、ベルモットなどさまざまな種類があります。蒸留酒に果実等を加えて浸けたあとに樽熟成する造り方や、果汁などを浸けて蒸留したあとに樽熟成をする造り方、ハーブや果実を配合する造り方などがあり、アルコール度数もさまざまです。
蒸留酒にはどんな種類がある?
蒸留酒は原材料や細かな製法によっても種類が異なります。「世界の四大スピリッツ」といわれるジン・ウォッカ・テキーラ・ラム以外にもウイスキーやブランデー、中国の白酒、焼酎、泡盛などがあります。
ジン
ジンはヨーロッパで生まれた大麦やライ麦、トウモロコシなどが原料のお酒です。原料を醸造・蒸留してから果実の「ジュニパーベリー」の風味を付けて造られます。中世の時代には薬として飲まれていたこともあり、現代ではカクテルなどによく使用されています。
ウォッカ
ウォッカはライ麦や小麦、大麦、ジャガイモ、果実などさまざまな原料から造られている蒸留酒です。ロシアや北欧などで多く飲まれていて、アルコール純度と度数がかなり高くなるように何度も蒸留されています。なかでもポーランドのウォッカ「スピリタス」は世界一アルコール度数が高いお酒といわれ、96度もあります。
カクテルにもよく使用されますが、マイナス0度でも凍らないウォッカは、冷凍庫で冷やす飲み方もおすすめです。
テキーラ
テキーラはメキシコの蒸留酒です。リュウゼツランが原材料の「メスカル」というお酒の一種といわれています。度数が高いことからカクテルに使用されることも多く、ライムをかじりながらストレートで楽しむ飲み方も有名です。
ラム
カリブ海で生まれた蒸留酒がラムです。サトウキビの搾りかすなどが原料のお酒で、蒸留した直後は無色ですが、蒸留後に樽熟成をすると琥珀色に変化します。樽熟成をしないラムはシルバーラム、熟成後のものはゴールドラムやダークラムと呼ばれています。
また、ラムはカクテルやお菓子作りに使用されることが多いお酒です。
焼酎
焼酎は米や大麦、サツマイモなどを原料にした日本生まれの蒸留酒です。本格焼酎は単式蒸留ですが、焼酎甲類になると連続式蒸留方式で造られます。
焼酎甲類のアルコール度数は36度未満ですが、醸造酒に比べ度数が高めでくせがないので、カクテルやチューハイによく使用されます。対して本格焼酎は原料の風味を残した製法が特徴のため、ロックや水割り、お湯割りなどの飲み方で親しまれています。
ウイスキー
ウイスキーは大麦、ライ麦などが原料の蒸留酒です。製法や種類もさまざまなものがあり、世界中で造られている人気のお酒です。とくにスコットランド、アイルランド、カナダ、アメリカ、日本で造られるウイスキーは「世界の5大ウイスキー」と呼ばれ、それぞれ個性的な味わいにファンも多いといわれています。
また、ウイスキーはカクテルやロック、水割りなどの飲み方が人気です。
蒸留酒は、醸造酒や混成酒に比べてアルコール度数が高く、長期保存が可能。さらには、糖分が含まれていないので「太らないお酒」として、ダイエット中の方にも人気のお酒です。まだ飲んだことがない方は、一度試してみてはいかがでしょうか。